勿忘草
ワスレナグサ【forget-me-not】 Myosotis scorpioides
明るいコバルトブルーの花をつけるワスレナグサ可愛いですね^^*
非恋草
中世の騎士道華やかだったころ、ドイツにロドルフという若い騎士がいた。
ベルタという美しい乙女と相思の仲となり、両親にも許されて幸多い日が続いていた。
ある日、二人は手をとり合って、うららかな春の陽を浴びながら、若草を踏んで河畔をそぞろ歩いでいた。
その時河畔に明るいコバルト色の、ひときわ可憐な花が咲いていた。
ベルタは思わず、「何んて優しい花でしょう」とため息をついた。
それを聞いてロドルフは、世の常の男のように身を乗り出して、それを摘み採ろうとした。
だがその時ロドルフの体は、急にバランスを失って、満々と張る急流の中へ落ち込んだ。
彼は身をもがき懸命に岸へ泳ぎ着こうとしたのだが、水量の多い急流ではその努力も空しく、
驚いて駆けよるベルタに「forget me not」と一声叫んで、摘みとった花を投げ与えた。
渦巻く急流はそのまま、ロドルフを下流へと連れ去った。
この出来事を伝え聞いた人々は、いつかこの草に、「forget me not」の名を与えて呼ぶことになった。
西欧伝説
by toruphoto
| 2012-06-09 18:30
| 花・植物