ヒヤシンス
ヒヤシンス Hyacinthus orientalis
英雄の魂が宿るヒヤシンスの花
トロイア戦争で勇名を馳せ、当時武勇では並ぶものないとまで言われたギリシアの英雄アキレウス
は、その名に応わしく数々の勲を立てたが、交戦国トロイア王の姫ポリュクセネーを見染めたことか
ら、敵将パリスに討たれて敢えなく死んだ。
その遺体はギリシア軍によってすぐさま救い出されたが、彼が身につけていた鎧の相続について、
オデュッセウスと、これまた誉れ高い名将アイアースとの間ではげしい争いが起きた。何しろその鎧
というのは、鍛冶の神へーバイストスが自ら鍛えたという古今稀れな名代の代物だったからであった。
だが審判の結果、知と勇に於て一日の長あるオデュッセウスがその鎧を相続することとなった。
そこでアイアースほ恥と怒りから、自からその生命を断った。その時、かつて太陽神アポローンが、
ヒュアキントスが死んだ時彼に誓ったように、アイアースの血潮からヒヤシンスが咲き出して同じよ
うに花びらに「AI、AI」の文字が現われた。それはアイアースの頭文字でもあると共に、ギリシアで
は「哀れ悲し」を意味しているという。 (ギリシア神話)
by toruphoto
| 2013-04-12 18:19
| 花・植物